カナコです。
5月18日、19日はお休みをもらって東京へ行ってました。
一応、18日は「デザインフェスタ」というクリエーターさんの展示イベント目当てに。
そして19日は吉祥寺や下北沢などで雑貨やカフェめぐりを。
そのあたりの東京日記はまた後日書こうかと思ってますが・・・
今日はその中でも一番素敵な思い出となった、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に参加したことをじっくり書きます。
(長くなる予感です)
***
【DIALOG IN THE DARK(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)】
DIALOG(対話) IN THE DARK(以下、DID)とは、文字通り、暗闇の中の対話を目的とした、「暗闇エンターテインメント」です。
って言っても、何のことかわけわかんないかと思いますが、「真っ暗やみの中で、他人同士と、さまざまな行動をしたりお話したりして90分間過ごす」遊びです。
渋谷区神宮前の常設会場で、毎週金土日に行われている企画で、チケット(大人5000円)を購入して参加します。
友達にもかなり勧められていたし、以前岐阜でも「くらやみごはん」という暗闇の中で食事をするというイベント(笑)にも参加してすごく楽しかったので、ずっと行きたかったイベント。
今回、他の用事が早く終わったので、今日しかない!と思って当日予約して1人で行きました。
DIDの詳しい内容は、先にこちらを見てもらった方がいいですね。
*
みなさんは、真っ暗闇を体験したことがありますか?
鼻の先にかざした手のひらすら見えない、いつまでたっても光が差さない本当の暗闇。
DIDは、最大8名の参加者(基本的に他人です)と視覚障害者のアテンドと呼ばれるスタッフ1名がグループになり、純度100%の真っ暗闇の中でワークショップや会話を楽しむ体験です。
感想を先に言うと、、、
とても楽しくて、今まで知らなかった気づきが多くて、人の温かみにふれ優しくなれる、唯一無二の素晴らしい体験でした。
なのでみんなにオススメしたくて、このブログを真剣に書いてます。
どんな体験か、ネタばれしない程度に書きますね。
(内容を知らない方が楽しめるので、すでに興味があっていく予定のある方は読まなくてもいいくらいです!)
予約して(当日でも空いてれば大丈夫)、会場へ。
受付は明るいです。(まだ普通です)
私の時は、同じ時間に予約した5名とグループになりました。
まさかのカップルさん2組に私1人・・・・
完全なアウェー感でいっぱい。。。。
時間になると、アテンドさんが紹介され(今回はちーちゃんという女性の方でした)、6人で部屋に入っていきます。
アテンドさんは全て、暗闇のエキスパートの視覚障害者さん。
お話の上手な面白い方でした。
まずはちーちゃんにみんなついていき(まだ明るい場所)、説明を受けたり皆で自己紹介をして呼び名を決めたり(私は呼びやすいかなと思ってカナにしました)、暗闇の中で必要になる「杖」を自分に合うものを選んだりします。
すでにドキドキです。
だって、全員知らない人で、いきなり自己紹介して、ニックネームで呼び合うなんてハードル高い・・・・
たまたまこのグループはにぎやかな方ばかりで、なんとなく和やかな空気になってよかった。。。
そして、顔がうっすらみえる程度の暗い部屋へ。
そこで暗闇に体を慣らしていきます。
この時点で結構不安になってきます。
私、1人だしなんか迷子とかならないかしら・・・とか・・・
名前聞いたけど結局覚えれないけど大丈夫なの、わたし!とか・・・・
1人でテンパりつつ、ゆっくりと真の暗闇(ほんとに何も見えない)に徐々に部屋を移っていきます。
まっ暗闇になった瞬間、「きゃーーーー!!!」って思いました。(ちょっと声にも出したかも)
なにこれなにこれ、すぐ横にいたアヤさん、どこいったの!?みたいな。
みんなほんとにいるの?
私だけじゃないの?
みたいな、不安MAX!
でもすぐにみんな、声を出して相手を確認したりしはじめ、1人じゃない確認ができてほんの少しだけ落ち着いて。
そしてアテンドちーちゃんの声を頼りに、暗闇の部屋を少しずつ進んでいきます。
今回のテーマは「ガーデニング・イン・ザ・ダーク」
どうやら暗闇でみんなで協力してガーデニングをやるっぽい、ということしかわからないまま進みます。
面白かったのは、暗闇だとみんな声と感触でしか何かを確かめられないから、とにかく触ったりしゃべりまくらないと不安になるし、何もできないから、しゃべりまくること。
というか、たまに叫んだりもしてます。
暗闇での会話は結構おかしいです。笑
「カナ、ここにいます!あ、ここっていってもわかんないか、えっと、後ろっぽいです!たぶん!」
「アヤ、段ボールっぽいものを触ってます!箱?箱かも!」
「みんなどこなの?カナ、ちょっと遅れたっぽい!誰か~!」
「ヒロ、近いです!」
「あ、いた!っていうか、踏みました、ヒロさんっぽい人踏みました!カナが!」
「踏まれたの、ゆきおちゃんです!大丈夫!」
とにかく、自分が誰か、そして何をしているか口頭で伝えないと何も進まないので、声がたよりです。
だんだん、声だけで、これが誰なのか、距離はどれくらいなのか、なーんとなくわかってきます。
内容は伏せておきますが、そんな調子で、何も見えない中でみんなで協力してガーデニングワークショップをやりました。笑
内容はとても単純な作業なのに、みえないってだけですごく難しくなる。
そうやって土の感触を確かめながら、みんなと一緒に触って確認したり、声を掛け合って作り上げたり、困っていたら助けてあげたり助けられたり、そんなことを1時間ほどしていると、知らないうちになんだかとても「仲間」意識が芽生えてくる。
さっきまで全く知らなかった人たちが、名前で何度も呼び合って、感触を確かめあって、手と手をとって一つの作業を完成させていく。
見えていればとても簡単な小さな出来事(例えば、土をみんなで同じ量に分け合う、など)が、暗闇ではなかなかすんなりできなくて、それをみんなで触ったり、しゃべったりして情報交換して、ちゃんとできあがるとみんなで喜び、一つステップアップした気持ちになる。
ほんの小さなできごとが、暗闇ではとても大きな壁になることもある。
それをみんなで少しずつ越えていく喜び。
そんなことが凝縮された時間を過ごしました。
最後はゆっくりと休憩。(まだ暗闇で)
暗闇では、紙パックの野菜ジュースを飲むのも一苦労です。
ストローの向き、穴の位置、握る強さとかも視覚が奪われると分かりにくい。
そんなふうにドリンクで休憩しながら、暗闇でいろんなお話をしました。
顔が見えないと、先入観も照れもないせいか、とても素直に話ができます。
これは私だけでなくみんなそうみたい。
お互いの仕事や家族の事、今日の体験の事、視覚障害のこと、、、、
いろんな話をみんなでして、楽しむひととき。
さっきまで他人だったみんなが、もう友達にでもなったような、もしかしたら暗闇を戦い抜いた戦友になったような気分で。
そして視覚障害についての話も、アテンドちーちゃんにたくさん聞けました。
生まれた時から障害があれば光という概念のない人ももちろんいること。
海外には点字ブロックがないこと。
(それは、当り前のように健常者と障害者が助け合う社会が成り立っているという証拠。)
バリアフリーの考え方。
障害者と社会のありかた。
などなど。
普段聞きにくいことも、暗闇では素直に聞ける。
なんと不思議な体験。
そして時間が来て少しずつ暗闇から明るい部屋へと移っていき、90分の体験は終了。
始まる前は、みんな不安で、ぎこちなくて、よそよそしかったのに、終わってみるとなんだかとても温かい気持ちでした、
「暗闇ではありがとうございました!またきっといつか会いたいですね。」って感じ。
なんとなく、笑いがこみ上げてくるような、「なんかいい体験しちゃったね。ふふふ。」っていうような、この仲間にしかわからないような不思議な連帯感が。
暗闇で過ごす90分。
私が得られたこと。
暗闇では、視覚障害者さんが唯一の頼りの人。
いわゆる健常者が生きやすい光のある世界とは全く逆で、暗闇は視覚に頼りきっていた自分がむしろ障害のあるような立場になることで、視覚障害者さんの気持ちをほんの少しだけ感じれるような気がしました。
世界は見る人によって如何様にも変わる。
そしてそれが、その人にとっては普段の普通の世界。
視覚障害者さんだけに限らず、私とあなたとが持つ世界もきっと少しずつ違っている。
みんなが同じでなく、「人は自分とは違う世界を持っている」と知った上で、共に生きていく社会を作ることを実感したことは大きな出来事でした。
そしてそれには、法整備やハード面でのバリアフリーではなく、人と人とのコミュニケーションが一番大切だということ。
暗闇の中で杖をついたり壁を触って歩いたりしたけれど、一番安心したのは手をつないだり、声をかけあったりしたことです。
杖だけで1人で歩く事もきっとできる。
でも、嬉しい、楽しい、安心するのは、誰かと手をつないでお話して歩く事。
暗闇でなくたって、きっと人は、人との対話を一番に必要としている。
お話が苦手な人だって、対話の仕方はきっと人それぞれで、「わかりあいたい」「伝えたい」と思えば、きっと思いが伝わるはず。
障害者、健常者というカテゴライズは便宜上という感じで、今回感じたのは「得意」「不得意」な分野があるだけ、ということ。
視覚で判断するのが得意か、それとも聴覚なのか、それとも別の何か・・・・
暗闇でアテンドさんがごく普通にすたすたと動いていることに驚き、でもそれはその世界では当たり前のことなんだなーということも、実感したり。
五感の使い方をあらためて発見しました。
ちなみに、、、
真っ暗闇の中って、みんな、目って開けてるかつむってるかどう思いますか?
わたしは。
知らず知らずのうちに、ずっと目を閉じていました。
たまに開けるんだけど、開けても景色が全く変わらないから意味がなくて、基本的に閉じっぱなしで暗闇を行動してる。
他の人にも聞いたけど、ずっと開けてたって人はいなかったみたい。
景色は同じだから、きっと開いてるより閉じてた方が楽だから自然と目が閉じちゃうんですね。
深海魚の目が退化するのが分かる気分。。。
(だって、必要ないんだもんね)
そういう不思議な発見もあったり。
正直、これだけ書いても書ききれないほど、いろんなことがあったり分かったりしました。
少しでも興味ある人は、ぜひ行ってみてほしいなと思ってます。
ただの遊びではあるけど、感じる事はとても深く広い。
押し付けがましくなく、「障害」というものに対しての抵抗感が薄くなる。
柔軟な気持ちが芽生える。
価値観も固定観念も思想も逆転することがある事を知る。
何を得られるかは、自分次第。
DIDに関する、茂木健一郎さんの著書もありました。
「偶有性の海に飛び込め!」と、よく茂木健一郎さんは言いますが、DIDの体験はまさにそれ。
偶然備わっている物事の側面だけを見て判断するのをやめて、本質を見る旅に出よう。
予想外の出来事を受け入れて、生き物として楽しもう。
閉じこもってばかりじゃなく、怖がらず飛び込んでしまえばきっと綺麗な景色を見つける事ができる。
実際に、企業の新人研修や、触感や香りなどの商品開発にも、暗闇でのオリエンテーションは活用されているようです。
現代日本人が忘れかけているコミュニケーションの取り方の練習にもなるし、五感を活かした新しい分野での市場も生まれそうです。
また、実際的に視覚障害者が優位に立てる職業としても世界で注目されているとのこと。
DIDに限らず、そして障害者健常者の区別とは関係なく、こういった思いがけない見方で本当の意味での人と人との関係性のバリアフリーを考えるきっかけがあるということを知ることは、大事だなーと。
みなさまも、ぜひ♪
(はーーー長かった!笑)
<今後のイベント予定>
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6月7日〜23日
花みち×melangelicaオリジナルドレスの展示、その他さまざまな作家さんの作品いろいろ展示販売。
6月22日(日)
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→詳しくは・・・「ウェディングブログ・ワークショップ詳細」
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