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長月 nagatsuki

日々のこと


2015.10.12
迷子のおばあちゃんのはなし

迷子のおばあちゃんを預かりました。

ものすごく楽しかったのと、いろいろと考えさせられることがあったので、ちょっとブログに書いてみます。

 

夕方、1人のおばあちゃんがお店にやってくる。

お「電話したいけど公衆電話ないか?」

カナコ「ないので、うちの使って。かけますよ。何番?」

お「◯◯-◯◯◯◯」

カ「市外局番分かりますか?頭にあと4つ数字いるのだけど。」

お「◯◯ー◯◯◯◯でかかるはず。娘がいるはず。この辺りで踊りの練習してる。番号が分からんでおじいさんにかける。ごにょごにょ・・・」

 

この時点で私と、周りのお客様数名が、おぉ・・・これは・・・いわゆる・・・と、何かを全員で察する。

会話がままならない1人のおばあちゃん、そして下6ケタの(多分自宅の?)電話番号、娘さんが近くにいるっぽい、というだけの情報により、多分このおばあちゃんは娘さんとはぐれてしまったけど、ケータイ番号が分からないから自宅にまずは連絡したいのではないかと推測し、みんなでこの謎解きを開始することになる。

 

 

何度聞いても市外局番が分からないため、次のミッション。

カ「おばあちゃんのおうちの住所わかる?近くに住んでる?」

お「◯◯町。昔は△△村やった。」

すぐに調べだすお客さん。

もう私たち、この時点で謎解きゲームをやってる気分で勝手に盛り上がっている。

客1「◯◯町!岐阜にないんだけど。めちゃ遠いんだけど。」

客2「△△村と◯◯町、一致!!!おばあちゃん、合ってる!合ってるけど、めっちゃ遠いけどほんとここからきたの?」

客3「市外局番分かった!かけてみよう」

カ「使われておりません・・・って。。。」

 

そしてみんな冷静に、あることに気付く。

客1「保険証とか、身分分かるもの持ってるんじゃない?おばあちゃん、電話番号書いてある紙とかない?あ、あった!分かった!」

おばあちゃん、ちゃんと番号書いてある紙を持ってたので、私がかけておじいちゃんらしき人(当たり前だけど不審がられる)に繋がると、おばあちゃんに電話をかわる。

でも、電話の先のおじいちゃんとこちらのおばあちゃん、会話が全然成り立ってなさそうだったので、私が途中で電話をかわって、状況説明。

 

話の内容から、どうやら娘さんは踊りの練習だかなんだかに行っていて、その間おばあちゃんは車で待ってるかお店を見て歩くかで時間をつぶしていることになっているっぽいと推測し、車さえ分かればそこで待っていられるのでは?と思い、おじいちゃんに車種などを聞く。

が、聞いても「グレーの軽自動車・・・」くらいしか情報が分からず、しかもおじいちゃんも状況が分かってないのか話がいまいち通じず・・・

念のため娘さんの携帯番号と自宅の住所も聞いて、最悪タクシーで帰れるように情報を揃える。

娘さんのケータイは出られない。

聞いた住所は、おばあちゃんが話した遠い◯◯町ではなく、隣県のわりと近場であった。。。

おばあちゃん、どこの住所言ったんだね、、、という疑問はおいといて、まずはグーグルマップ。

 

客1「ストリートビューで確認できた!グレーの軽自動車写ってる!奇跡!車種、おおよそ特定!」

客全員「探しにいこうー!」

そして、フォーカスポーカスの広大な駐車場(100台以上駐車可能)に車を探しにいくことに。

この日は裏のクラブルーツでライブ。

満車です。。。

そして踊りの練習をやるなら2Fのレンタルスペースだろうとおもったのだけど・・・この時間はやっていなくて、もしかしたら娘さんは踊りの練習ではなくてライブに行ってるっぽい気もしてきた私たち。

 

でも暗いし、車は見つからず。

その間、おばあちゃんといろんな話をする。

「いつも勝手に出かけて叱られるから、たまには冒険してやろうと思って出てきてしまった。」

「いつも行く場所だからバスで1人で来てしまった。」

「おじいさんにバレると猛るから怖い。」

「娘は何歳で優しい子で、妹は何歳で、子供が何人いて忙しくて、どうのこうの・・・・」

などと話していると、私たちの推測が違ってたことに気付く。

 

全員「娘さんと一緒に来たんじゃなくて、1人で誰にも内緒でバスで来ちゃったんだ・・・これ、娘さんに会えるわけないわ・・・・おじいちゃんもそりゃ話噛み合ないわ・・・・」

 

で、全員があらためて状況を整理整頓。

おばあちゃんが勝手に来ちゃって、娘さんはよくここに来てるかもだけど、今日はそもそもここに来てない可能性もあるし、もうタクシーで帰るしかない・・・と判断し、おじいちゃんに電話してタクシーで帰ってもらうよと伝えることに。

あらためておじいちゃんに状況説明したところ、もう1人の娘さんと一緒に迎えにいくとのこと。

で、40分くらい、ご家族が迎えにくるのをみんなで待つことに。

 

あいにく他のお客様もあまり来店がなく(残念。笑)、ゆったりとした空間で、本棚の前のテーブルでみんなで座ってお話。

あったかいほうじ茶をいれて、おばあちゃんの話を聞いたり。。

支離滅裂な会話でも、たまに一貫性があることがあって、それをみんなで調べたりするのが楽しくて、あっという間の40分。

会話の中で、娘さんがいつもこの辺りで踊り(?)を習っているから、ここには何度も連れてきてもらったことがあるとか、バスに乗ったらここまでこれちゃったとか(乗り換えもあるしよくこれたなーと思ったけど)、◯◯町の住所はどうやら実家の住所っぽいとか、おじいさんはどこそこかまわず猛るから怖いとか(このあとみんなの間で”猛る”が流行る)、この冒険が初めてではなく何度も出かけちゃってるっぽいとか、、、断片的な単語のやりとりでいろんなことが分かってきた。

 

話しながら、なんか、みんながそれぞれのおばあちゃんのことを考えてた。

うちのおばあちゃん、元気かな、、、とか、徘徊してないかな、、、とか、住所と電話番号は絶対に持たせないと、、、、とか、、、、

この迷い込んできた1人のおばあちゃんに、みんなが自分のおばあちゃんを投影してて、なんだかいたたまれなくもあり、かわいらしくもあり、可笑しさもあり、ちゃんとお迎えにきてもらえるといいなあ・・・猛られないといいなあ・・・と、思ったり。

 

お迎えの時間が近づくにつれ、お店がわからないといけないから、プラカード持ってよっか?とか、ライブ終わりの人たちに向かって大声で叫ぼっか?とか、みんなでやいやい窓の外を眺めつつ。。。

なんだか楽しい謎解きゲームは、家族のお迎えによって完結し、無事おばあちゃんは家族の方と一緒に帰っていきました。

(結局、娘さんはライブに来てました!おばあちゃんが知っていたのか偶然来たのかわかりませんが。。。)

 

なんだか面白いハプニングに、お客様も巻き込んで2時間ほど。

今回はうまく話が繋がってよかったけど、場合によっては警察・・・ってこともあるのだろうなーとか。。

楽しいのと同時に、いろんなことを思いました。

 

 

うちのおばあちゃんももう90歳に近い。

歩くことも話すこともそれなりにできるけど、杖が手放せないし、耳は少しずつ遠くなっていってる。

おじいちゃんが亡くなってから少しぼんやりしたり、治ったり、またぼけてきたり、繰り返し。

頭の回転がいいな!と思う会話もあれば、全然人の話聞いてないな!って時もある。

いままで、私自身が、おばあちゃんの老化を現実として受け止めてない気がしていたけど、この歳になったら住所や電話番号が言えなくなっても当たり前なのかもしれない。

そういえばうちのおばあちゃん、電話番号を市外局番から言えるんだろうか。

言えそうな気もするけど、分からなくてもおかしくない気もする。

住所も、いつだって昔からある地域の呼び名で呼んでるから、市町村合併後の住所がわからなくなっててもおかしくない。

徘徊とかはしないけど、庭や畑に自由に出て行ける状態だから、そのまま遠くに行っちゃってもおかしくない。

 

今回の件で、これは他人事じゃなくて、この家族のような立場に私も私の家族もいつなってもおかしくない状況なんだなーって、はっとしました。

 

おばあちゃん、元気かな。。。

今度実家に帰ったら、これからのこと、家族でちょっと話してみよう。

おばあちゃんと話してみて、どれくらいの判断力があってどれくらい動けるのか、自分で確かめてみよう。

そして元気なうちにたくさん会いにいこう。。。

なんか、そんなことふと、思いました。

 

昨日のおばあちゃん、猛られずにすんだかな?

自由に飛び出したい気持ちはとってもわかるけど、安全な冒険の仕方で(笑)お元気でいてくれるといいな。

 

 

IMG_2602

ここのテーブルで、本を片付けて、みんなでお茶してお話しながら家族を待ちました。

いい場所あってよかった。笑

 

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