こんにちは!
カナコ氏の文章が大好きなコージです。
今日はカナコ氏が書いてる「note」の過去記事で、好きが多かったものを転載しました。
お時間あれば、ぜひ読んでくださいね。
※
料理初心者の夫が、急に自炊をしだして2ヶ月たつ。
普通に料理ができてしまう私には思いつかない、固定観念を崩すような作品が日々できあがってくる。
毎日がとても楽しくて美味しい。
衝撃の初回のレポート(2020年1月)のコージ飯の記録はこちら↓。
私の辛辣であり愛情深い感想を加えた、夫ならではのお料理の記録である。
さて。2月の記録もここに残しておこう。
コ「この四角いフライパン使う気がする。油?とかしくの?!わからん。しこ。刷毛がほしい!こういうのなんかカナコ氏がやってた気がする。玉子って1個?2個?わからん。2個や!たぶん。なんか巻けそう。こうか!え?!2回目は?!え?、、、」
カ「めちゃ上手いやんか。。。」#コージ飯 pic.twitter.com/0wRVJOjtAu
— オゼキカナコ/長月 (@nagatsuki_life) February 4, 2020
「今から何も見ずに創作だし巻き玉子作ってみる!味はまずなしで!(真顔)」
「ええ〜〜〜!だし巻きなのに!?巻き玉子やん!」
初心者の割にめちゃくちゃ上手なだし巻き玉子(だしなし)ができて感動。
どうやら「くるくる巻いて焼く卵焼き」=「だし巻き玉子」と思っていたらしい。「だし」=「出汁」と思っていなかったようだ。結果的にその後、彼の中でこの食べ物は「巻き玉子」として定着する。
出汁の入っていない「巻き玉子」新しい&美味しい。(味がない)
いただき物のハム、巻き玉子、菜の花、カブのだしブレンドみそ汁、米原産のお米、ノンアルコールビール。巻き玉子は初挑戦にしてはうまくいったかと。ハムは外袋のビニール外したのに、もう一回ビニール巻きされてるの気づかずに焼いたら…。まだ半分残ってるので、次は失敗しない! #コージ飯 pic.twitter.com/ceXCVhn8mL
— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 4, 2020
突然のおっぱいである。
2月、しょっぱなからぶっぱなしている。
しかも、本人も懺悔しているけれど、ハムに巻いてあるビニールをむきそこねて焼いている。
初心者あるあるの出来事ににっこりし、おっぱいハムと上手に巻けた巻き玉子で爆笑し、幸せな食卓。
美味しい。
偏頭痛から復活。2日ぶりの朝ごはんはバターとだしがらトーストのハーフ&ハーフにクノールのコーンスープを。だしがらに対するマヨネーズの量、まだ足りないのかな?それはさておきやっぱり朝ごはんはいい!偏頭痛になってる場合ではない。 #コージ飯 #だしがらトースト pic.twitter.com/0r3n9pGDJO
— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 6, 2020
なんだこれは。
素朴な疑問の朝食である。
先日までよくわかっていなかった「出汁」という存在にいつの日か気づき、出汁を取った後の「出汁がら」をマヨネーズであえてパンにのせて焼く、なんていう高度なことまでいつの間にかできるようになったのだがこの有様である。
マヨネーズ、出汁がらの量など、とにかくいろいろ足りない。
でも美味しい。(味が薄い)
焼きそばに目玉焼き、だしブレンドみそ汁(具はわかめのみ)、ノンアルコールビール。楽チンだからカット野菜を使ったけど、やっぱり自分で好きな野菜を好きな分だけカットして使った方がいいですね。味付けはソース一周と塩胡椒の薄味で。外食と比べると驚くほどお値打ち。 #コージ飯 pic.twitter.com/IBdtIGPMse
— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 11, 2020
味がない。
美味しそうに見えてこの白い焼きそば・・・薄味というかほぼ味がない。
「味は後から自分で付け足したっていい」ということに改めて気付かされた一品。
彼はそのまま食べてたけど満足そうだった。
うん、美味しい!(味は足した)
創作フレンチトースト、ハム焼きと玉子焼き、ノンアルコールビール。フレンチトーストはフライパンで上手に焼けました。砂糖は控えめに小さじ2分の1。ハチミツとマヨネーズで食べてみましたが、マヨネーズは微妙ですね。次はしっかりレシピ通りのフレンチトーストに挑戦してみよう。 #コージ飯 pic.twitter.com/bkoPSYNpNy
— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 11, 2020
創作フレンチトースト。
創作、と名付ければ大抵のものは許されるという世の中の掟をうまく利用した一品。
実はフレンチトーストの作り方は知らず、玉子につければいいのでは?と彼なりに考えてやった結果、牛乳も味付けもほぼない「玉子パン」になった。
フレンチトーストにマヨネーズ・・・・何事もチャレンジである。
フレンチトーストの概念を失いかけたけれど、美味しい!
フレンチトースト、イチゴ、ヨーグルト、コーヒー。フレンチトーストはレシピ通りに玉子1、牛乳100ml、砂糖大さじ1、バターで焼く、を守りました。牛乳も砂糖も多すぎではと思ったけど、とても美味しくなりました。
『コージはフレンチトーストをマスターした!』テレレレッテッテテー♪ #コージ飯 pic.twitter.com/2LukJjmTV2— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 11, 2020
と思ったら、レシピ通り作ったらいきなりめちゃくちゃ上手になった。
完璧、むしろ私が作るよりうまい。
甘い!しっとりふわふわ、最高に美味しい!
・
・
・
と、この時ふと、少しだけ心がざわついた。
夫は初めて「レシピを見る」ことを覚えた。
これは大変画期的なことだ。
そもそも、創作料理というものは料理の基本スキルがある上で「アレンジ」をすることだと思うのだけど、夫はその基礎がない状態で「0から完全創作」していた。
だから、時に奇想天外なお料理が出来上がってきたのだ。
0から完全創作をやめてレシピを見ることで、真面目な性格な彼はその通りにきちんと作る。そうすると、なんと!とても上手にできてしまう。
彼はそもそも真面目で丁寧な性格だ。
レシピを見る=きちんとレシピ通りに作る。
そこで思った。彼の「常識にとらわれない彼ならではのクリエイティブ」は今後失われてしまうのか。。
この時、ツイッター上でもファンから様々な懸念が発せられた。
美味しそうだけど喪失感を感じています。
せめてノンアルコール ビールは欲しかったです。
— 小松 大 / Ode Inc.CEO (@daik327) February 12, 2020
レシピ見てその通りにできるのもある意味才能やと思う。でも、でも、閲覧制限を!!
— みしゃ (@MiyakoNiwa) February 12, 2020
ひっそり #コージ飯 ファンです。
みなさんおっしゃってるように、スキルアップが少しさみしい気もします…!が!
「美味しくしよう」前向きな気持ちを否定するのも違う気も。うーーー難しいですね!!
ちなみに毎回量が少ないのが個人的にツボです。
— ぴぴ (@kyaaa_aaa) February 12, 2020
そうなのだ。
本人は上手に料理ができて大変うれしそうだし、私もめちゃくちゃ美味しくて嬉しい。
でもこの、喪失感はなんだろう。
これから #コージ飯 の良さをどこに見い出せば良いんだろう。
美味しさと本人のスキルアップをとるのか、彼の純粋でいて斬新な完全創作をとるのか。。。
悩ましい。。。
世間が求めている #コージ飯 と、私の思うコージ飯、コージーさん自身が目指すコージ飯、、、
みんなのコージ飯はどこに向かっていくのか。。。
ちょっと本人と緊急会議しよかな。(←多分こういう余分なことが1番いらない) https://t.co/hkDoXvooFF
— オゼキカナコ/長月 (@nagatsuki_life) February 12, 2020
ここで気づいたこと。
初めは私も夫も同じ気持ちでスタートしたはずだった。
「無職になるから節約のために自炊をしよう。続けられるようにせっかくだからTwitterに載せていこう。」それくらいの気持ちだった。
なのにいつの日か私は、彼の作る料理をコンテンツ化しようとしていたことに気づく。
レシピを見ずに思いつくままに作る、料理初心者のお料理。
狙っているわけでもなく、彼のそのままの気持ちがダイレクトに料理に現れている、それがかえって面白く、楽しく、斬新で、みんなの心を掴んでいく。
もっと面白いものはないか。
もっと斬新な料理にならないか。
私は常に、コンテンツとして「面白いか」という視点が強くなっていった。
でも彼は一貫して、初めの気持ちから変わっていない。
「レシピを見るのは面倒だし、買い物も行きたくないけど、見たことある料理だからどうにか自分でもできる気がする。自炊しないと、だから、頑張って作ろう。」という気持ちで作っているのだ。
本人は上手に作りたいのだ。
失敗したくない。
簡単でそれなりに美味しくて、チャチャッと作れるお料理を作りたいのだ。
フレンチトースト、当たり前ですがレシピ通りに作ると本当に美味しいです!が、ツッコミどころを失ったTwitterの方々からは不評でした。どうしたらいいのやら…。#長ラジ #コージ飯 #Radiotalk https://t.co/wnBpVKw00u
— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 14, 2020
夫本人からの悲しみのツイートも。
お互いに複雑な気持ちを抱えたまま(そんな深刻ではないが)、彼はそれでも着々と料理を自分のものにしていった。
みそ鍋、梅干し、ノンアルコールビール。鍋の具材は豚肉、大根、白菜、ネギ、きのこ、玉子。鍋は昔も作ってたので、それなりにできます。今回は量が少なかったので、最後はうどんと再玉子で満腹に。 #コージ飯 pic.twitter.com/nK8esodMQV
— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 12, 2020
こんな風に上手に美味しくできることもたくさん増えてきたのだ。
(再玉子とは?)
とても美味しい。
鳥もも肉のオイスターソース焼き、ブロッコリー、キャベツの千切り風、米原産の白米、ノンアルコールビール。初めてのキャベツの千切りに挑戦!しかしカナコ氏から「それ百切りや」と注意を受けました。練習せねばです。 #コージ飯 pic.twitter.com/ElylYjXO62
— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 15, 2020
千切りキャベツと肉の量のバランス、ご飯の少なさ・・・
大丈夫です、とても美味しい。
美味しい料理は当たり前だけど嬉しい。
最高なのだ。
本当に本当に嬉しいのだ。
だけどまだ、心にぽっかりと空いた穴。
そんな中・・・
今日の夜ご飯は打ち合わせしつつカカミガハラスタンドで。おにぎり、厚焼き玉子焼き。ノンアルコールビールはがまんを。おにぎりは左からわかめとごま、ツナマヨ、梅干しとごまと鰹節。おにぎりはうまく握れてませんが、玉子はうまく巻けました。 #コージ飯 pic.twitter.com/yc7jI3dIOV
— 長月books(長月コージ)/妻デューサー (@nagatsuki_books) February 12, 2020
実は私の外出中に、議会で食べられるように作ってくれたみたい。
家着いたらこんな状態でした。おにぎりの形。。
ラップを巻きらない感じ。。なんやろ、三角にできなかったのか、するつもりがそもそもないのか。
ごろんごろんしてる。あと、味は薄いなりに美味しい!(やっぱ薄い)#コージ飯 pic.twitter.com/hdptiUExkJ
— オゼキカナコ/長月 (@nagatsuki_life) February 12, 2020
なんと、私が仕事で忙しくしている間、そして一旦家に帰ってまた打ち合わせに出かけようとするそのちょっとの隙間に・・・
なんとおにぎりと卵焼きを作って持たせてくれたのだ。
「会議の時に食べるといいかなと思って」と、頑張って作ってくれたのだ。
夫が初めて握るおにぎり。
今まで私が作ってきたおにぎりを思い出して、どうにか材料をかき集め、3種類も作ってくれた。
握り方はもちろん、なんとも言えない、、、三角のような、三角でない、ご飯の塊だ。
今までは味のない「巻き玉子」だったものが、どうにか味をつけて「卵焼き」に昇格していた。(ちゃんと味がある!)
なんていうか、、、泣きそうになった。
夫の料理を半ば冷やかしのようにコンテンツ化しようとしていた私。
面白いお料理ができると喜んで、上手にできすぎるとちょっと(つまらんな)と思っていた私。
なのに手伝いもせず、味が薄いとか、千切りじゃない百切りやとか、言いたいことばっかり言って、作ってもらっていたことに感謝が薄れていった私。
だけどそんなことは全く気にせず、ただひたすらに「自炊をせねば」と努力してくれていた夫。
しょっちゅうお腹が空いたと嘆いている私のことを気にしてくれた夫。
今までお出かけや山登りに、よくおにぎりと一緒に卵焼きを作っていたことを思い出してくれた夫。
自分は味も薄くて種類も1つでいいけど、、、カナコ氏は食いしん坊だからいろんな味があった方がいいだろう、しかもおかずも欲しいだろう、そんなことをきっと考えて作ってくれた夫。
とは言え、そこまで考えてもいないかもしれない、いつだって素のまま、真面目で、優しい夫。
私は会議中、ずっとニコニコしながらおにぎりを食べていた。
夫に作ってもらったんだよ、と、自慢げに話しながら。
自分が作らなくてもお料理が出てくる毎日が本当に幸せだ。
失敗していても、味が薄くても、とても美味しくても、完璧な仕上がりでも、実際のお料理の良し悪しなんて本当はどちらだっていいのだ。
夫は今日も、真剣にお料理に向き合う。
私は今日は何かな?と楽しみに待つ。
一緒に笑いながら食卓を囲む。
それが一番なのだ。
***
2月後半も続きます。
https://twitter.com/nagatsuki_books/status/1229651707312783361
カテゴリー:note(オゼキカナコ)